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”13” 王子、途方にくれる‐10
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30分以上かけて、やっと落ち着いた身体が、ぺたんと俺に凭れかかった。
バスローブの袖で、滲んだ涙とか、そっと拭いてあげて、脱力してる身体をぎゅっと抱きしめる。
「良かった。軽めで済んで。眠い?ちょっと休もうか」
ベッドに仰向けに横たえてあげ、俺も添い寝する。
腰に手を回し、抱き寄せてあげようとすると、びくっと身じろぐ。
ダルそうに閉じてた瞳を開けて、俺の方を向いて・・・・・目が真ん丸い。
な、なんで?すっごくビックリしてんの?
俺もその反応に驚いちゃって、手が止まる。
健は背で身体を動かして、俺から少し距離を取り、ナイトボードに手を伸ばす。
あ、起き上がった。無理に起きなくていいのに。
指先に触れたメモとペンを握り、何かを走り書きした。
『ここ、何処ですか?』
ど、何処ですかって・・・え?マジで言ってんの?まだ混乱してんの?
『あの、僕、どうして、こんな格好しているんですか?』
「どうして・・・って、健。えっと・・・」
視線が目まぐるしく、俺と健の姿を行き来してる。
『僕、佐倉さんと、ここに泊まったんですね? どうして 』
健の手が、どうしての後で戸惑うのが伝わる。
ぎゅっと下唇を噛んで、書き綴られる。
『もしかして、セックスしちゃったんですか?』
健は、中学生脳の健に、目覚めたら、戻ってしまってた。
で、知らないホテルらしきところに、バスローブの俺達。
シュチエーションを想像して、ショックを受けてる。
俺は、くったり、脱力して、ベッドに沈んだ。
昨夜の健は、どこに行ったんだろうって思ったら、身体中の力が出なくなった。
そんな俺を、遠慮がちに揺さぶって、なおも何か書いたメモを見せようとする健が
憎くさえ、思えて。ダメだ、そんなのと自問自答して。
もう、どうしようって思うのは、俺の方だよ。
ヤバい、ヤバいって。泣きそうだってば、どうしようもなさすぎて、さ。
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