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大誤算っ!
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〜奏side〜
ボクの腕の中に倒れこむりっちゃんを、優しく抱きしめる。
温かさと愛おしさが、ボクを包み込む。
数分後、そっと体を離し、ベッドに寝かせてあげる。
布団を掛け、りっちゃんの頬に手を当てる。
普段はぶっきらぼうで、眉間にシワ寄りっぱなしだけど、安らかに寝息をたてる姿は、とっても可愛らしい。
こんなこと言ったら、また殴られそうだけど。
でも、りっちゃんになら、何されたっていいんだぁ。
つぅっと指でりっちゃんの唇をなぞる。
ぴくっと動いたが、まだ夢の中にいるみたい。
その唇に、そっと自分のを重ねる。
すぐに顔を離し、もう一度指でなぞる。
りっちゃんは知らないだろう。
ボクが毎晩、こうしてキスしてることを。
合鍵を作って、部屋に忍び込んでいることを。
りっちゃんが学校に行ったあと、
まだキミの温もりが残っている布団に包まっていることを。
ボクがどれだけ、キミを好きかということを。
ボクはりっちゃんさえ居れば、何も要らない。
学歴もお金も、家族さえ、ボクには必要なくなった。
りっちゃんが隣に居てくれれば、それで満足。
幸せでいられる。
ねぇ、だから・・・
無意識に、ボクの左手はりっちゃんの体を這って、彼の下半身へ向かう。
ボクはそれをペシンッと叩く。
ダメ。
まだ、ダメ。
2人の気持ちが、ちゃんと育つまで、
待つんだ。
待たなきゃ、りっちゃんが離れていっちゃう・・・
だから、だからだからっ
『ボクが狼サンになる前に、ちゃんと気づいてね?』
ちゅっ、というリップ音が室内に響く。
今度こそ、おやすみのキス。
ボクは、りっちゃんの体温でいっぱいの布団の中で、ゆっくりと目を閉じた。
〜奏side〜 END
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