アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
オマエら何なの?
-
秋も深まる10月上旬。
そろそろ文化祭の季節だな、と俺は教室の窓からせかせか動く人々を見下ろしていた。
俺の通う男子校は、10月の下旬に文化祭を行う。
出し物は自由参加型で、俺のクラスは今年は”茶化す”専門らしい。
まぁ、もともとクラスでは何もしないのがデフォだ。
どちらかと言えば、部活単位で屋台やら発表やらをすることが多い。
だが、文芸部は部誌の販売だけなので、作品を仕上げてしまった今、実質、何もしないのに等しい。
それはそれでいいけど。
今は、祭りごとの気分じゃないし。
むすっと机に頬杖をつく俺の前に、勢い良くカバンが飛んでくる。
『律、パスっ!』
投げかけられる言葉を無視し、カバンを叩き落とす。
今の俺に、こんな茶番に付き合ってられるほどの心の広さは無い。
ひっでぇ~、と口を尖らせてカバンを拾う、茶髪の男。
長谷川 雪里(ハセガワ ユキサト)。
”歩く校則違反”と名がお似合いの、チャラチャラしてる”ように見える”男。
実際は、コソ勉と二次元をこよなく愛するオタッキー。
コイツは、俺と長く友を続けてくれている、数少ない人物だ。
出会いは小5だったから、かれこれ7年の付き合いだ。
だからなのか、コイツ相手だと必要以上に手足癖が悪くなる。
『りっちゃん、今日かな~りご機嫌斜めだねぇ』
わざとらしく”りっちゃん”呼ばわりする雪里の頭を、ペンケースで殴る。
ガコンッと気持ちが良いくらい音がする。
大げさに痛がり転げ回る雪里を、俺は冷ややかに見つめる。
ちなみに、クラスの奴らは、またか、と呆れたように見ている。
俺を含めて。
痛みから復活した雪里が、反撃とばかりに俺の頬をつねる。
地味に痛いが、そんなことは口にせず、代わりにヤツの鳩尾にパンチする。
勝敗が、決まった。
『律、ホントひでぇよ・・・って、あれ?』
「何だよ?」
雪里は動揺しながら俺の左頬を指さす。
やっぱり、目立つか・・・。
雪里は自分の席、俺の前の席に座りながらニヤニヤと俺を見つめる。
『何?引っ掻き傷なんか付けちゃって。
猫にでもやられた?』
「違う。」
だったらなんで?と興味津々に訊いてくる雪里を、またもペンケースで殴る。
暴力反対!とか叫び出すので、雪里のネクタイを引っ張り、頭付きしてやる。
ホント、煩いんだよ。
誰のせいでこんな傷作んなきゃいけなくなったと思ってんだよ。
涙目の雪里をジロッと睨むと、さすがに状況を把握し出した本人が、恐る恐る尋ねてくる。
『まさか・・・奏チャン?』
こっくりと頷き、昨晩のことを思い出す。
あの、強烈な出来事を。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 124