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オマエら何なの?
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『今、何て言ったの・・・?』
夜、ソファでくつろぐ俺に相変わらずベッタリな奏が、俺の一言で硬直した。
絡まった腕が、ミシミシと音をたてて俺を締め付ける。
「だから、今度の土曜日、友達の家に泊まるから。」
だから夕飯はいらないから、と付け足すが、奏は放心状態で聞いちゃいない。
何かボソボソ呟いてるが、何を言っているかは分からない。
扱いに困った俺は、そういうことだから、と風呂場に向かって歩き出す。
いつもなら、待ってるね、とかムダに高いテンションの言葉が返ってくるが、今日は無い。
何がそんなにショックなのだろうか。
俺だって、たまには友の家に遊びに行くことだってある。
まぁ、十中八九、疲れるだけなのだろうが。
"オレの家に泊まりに来いっ!"
今朝学校へ着くや否や、雪里がそう叫びながらタックルしてきた。
最初は何事かと思ったが、話を聞くに、
一人暮らしを始めたので、誰かを自宅に招いて騒ぎたいのだそうだ。
そんなの、俺じゃなくてもいいだろう。
コイツは俺と違って、交友関係はかなり広い。
騒がしくしたいのならば、もっと適任の奴らがいるだろう。
そう言うと、雪里は真剣な顔で言い放った。
"律しかいないんだ"と。
怪訝そうにする俺の顔を見て、
雪里が俺の肩に手を置き、前後にブンブン揺らす。
"学生の本分を忘れるな"と。
つまりはアレなのだ。
コソ勉に付き合えってことなのだ。
で、コソ勉ついでに二次元について夜通し語らせろということのだ。
それならまぁ、俺しかいないだろう。
雪里の周りはチャラいのばかりで、勉強とも二次元とも無縁の奴らばかりだ。
雪里の本性を知っているのは彼の家族以外、俺だけだと言っても間違いはない。
分かったよ、と渋々承諾する俺に、雪里は感激のタックルをする。
二度目は、ちゃんとかわせた。
渋々、という風に表現したが、実は満更でもない。
雪里は勉強ができるだけでなく、教えることも上手い。
彼の協力のおかげで、第一志望校に通えたようなものだ。
それに、アニメもマンガも好きだし、声優にも興味ある。
雪里の話は、一方的に語られることが多いわりに、ちゃんと心に残る。
ハッキリ言おう。
楽しみなのだ、俺は。
滝のように流れるシャワーの下で、
俺は自然と口角を上げていた。
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