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オマエら何なの?
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そしてついに、土曜日が来てしまった。
『おっ邪魔しま〜す♪』
雪里が鼻歌を歌いながら玄関で靴を脱ぐ。
いらっしゃい、はじめまして、と奏がニコニコしながら自己紹介をし出す。
雪里もそれに応じて、どーもどーも、と手をヒラヒラさせる。
そんな2人を、俺は横でヒヤヒヤしながら見守っていた。
"雪里の世話は絶対にしない"
これが、雪里の泊まりを伝えた時の、奏が出した条件だった。
俺の外泊がなくなったことで若干機嫌を直した奏は、嫌々ながらも雪里の宿泊を許してくれた。
俺は感極まって、ありがとう、と微笑んだ。
だが、そんな矢先に、この条件が出された。
下がったトーンで放たれた言葉に少し狼狽えたが、当然と言えば当然だ。
奏は俺の弟でも母でもないのだから、嫌な相手を世話する義理はない。
俺は条件を受け入れた。
ありがとう、とお礼を言った奏は、
"信じてるから"と、意味深な言葉を残した。
あれは一体、何だったのだろう?
まぁ、ここまでは、少々引っかかるところはあったが、俺の心は平穏だった。
しかし、しかしだ。
雪里に、奏から許可が出たと伝えた時、雪里は
"奏チャンの料理が食べられるのかぁ"と、ヨダレを啜りながら言った。
バカで考えなしの俺は、奏の条件を素直に口にしてしまったのだ。
気づいた時には後の祭り。
口角をピクつかせながら、
"ケンカ、売られちった♪"とにんまり笑う雪里が、目の前に居た。
ダイアモンドダストが吹き荒れる中、玄関でニコニコし合う2人。
牽制し合っているのか、それとも腹の中を探り合っているのか、俺には分からない。
でも、これだけは分かる。
2人の扱いを間違えれば、血の雨が降る。
ゴキュッと生唾を飲む音が、無駄に大きく聞こえた。
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