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オマエら何なの?
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〜奏side〜
りっちゃんが出ていってしまった。
ボクは、ベッドでくつろぐ男を殴り飛ばしたい衝動を、必死に抑えた。
この人何なの?
りっちゃんとボクの仲、邪魔しにきてるみたいなんだけどっ!
ボクはお邪魔虫に向かって愛想良く微笑む。
怒りを、抑えながら。
「長谷川さん、晩ご飯、何が食べたいですか?
ボク、何でも作れますよ?」
ボクの言葉に、お邪魔虫は鼻で笑った。
そして言い放つ。
"オレの世話は絶対にしないんじゃなかったっけ?"と。
そうだよ?
そのつもりだよ?
でもね、お義理ってもんがあるんだよ。
嫌でもその気が無くても、訊かなきゃいけないんだよ。
立場的に。
ボクがあからさまにムッとするのを見て、お邪魔虫はニヤッと笑う。
『そういうの、疲れたでしょ?
もう本性出しちゃいなよ。
猫かぶり奏チャン?』
ふ、ふふふふふふふ・・・・
へ〜、そう来るんだぁ〜。
ボクは満面の笑みを浮かべた。
「ケンカ、お買い上げありがとう。
ユ・キ・ちゃんっ!」
途端に、掴まれる、胸ぐら。
ボクはその状態から鳩尾に拳を叩きつける。
うっ、と呻き声を上げ後ろに退くお邪魔虫に向かってボクは冷ややかに言い放つ。
「ねぇ、本当はキミ、ボクがどんなんだか偵察に来たんでしょ?」
『そうだけど?
律がなんだかんだ気にかけてる"奏"がどんな奴か、この目で見たかったんだよ。
期待通り、ガキで甘チャンだったよ。』
「何それ?」
アンタに言われたかないよ。
子どもじみたイヤミ言ってきたくせに。
ボクのが敬語使ったり気ぃ遣ったりしてて、よっぽど大人だと思うけど?
不満が顔に出ていたのか、長谷川は、"そういうトコがガキ臭ェんだよ"となじる。
「アンタこそ、ボクにいちいち突っかかって、ホント、ガキ臭ぁ!」
ボクの言葉が試合開始の合図となり、取っ組み合いが始まる。
数日前にりっちゃんとやったケンカでは感じなかった痛みが、走る。
そっか、りっちゃん、手加減してくれてたんだぁ・・・
そう思って緩みそうになるのを必死に抑え、ボクは戦いに専念した。
殴る、蹴る、引っ掻く、引っ張る・・・
止める者が居ない今、ボクらは本能のまま、戦い続けた。
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