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バカか、オマエは。
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〜奏side〜
りっちゃんの後ろ姿をぼーっと眺めながら、ボクはフォークをくわえた。
なんか、デートみたい・・・。
ぽーっと熱くなる頬を両手で叩き、雑念を追い払う。
何のためにボクはココにいるんだよっ!
しっかりして!ボク!
ボクは変わるためにココに来た。
ボクは逃げてきた。
嫌なことから目を背け、人との関わりを絶ち、社会生活から離脱した。
でも、りっちゃんと出会って、りっちゃんを好きになって、分かった。
離脱したままじゃ、逃げてるままじゃ、りっちゃんの隣には立てないって。
りっちゃんは、"外"に自由に行ける人だから。
"内"にしか居られないボクのままじゃ、りっちゃんを縛る枷にしかなれない。
だからボクは利用した。
この文化祭を。
文化祭で、大勢の人に馴れて、人の中で生きることを、思い出すために。
ここまで来るまでのボクは、全然頑張ってない。
りっちゃんに頼ってばかりで、何も進歩してない。
ボクはギュッと歯を食い縛る。
口の中に、フォークの金臭い味が広がる。
『あっれ〜、君、1人ィ?』
ふと顔を上げると、2、3人の男がボクの座る丸テーブルを囲っていた。
制服からして、ここの生徒だ。
ボクは男の言葉を無視して、お皿に残ったアップルパイにフォークを刺した。
無視するなよぉ、と男の1人がクイッとボクの顔を指で掴む。
キッと睨むと、後ろの2人が、可愛いぃ、なんてほざく。
コイツら、うざったいっ!
「放してください。」
『じゃあ、お兄さん達と遊んでくれるぅ?』
誰が遊ぶかよ、と鼻で笑うと、ぐいっと頭を下に押さえつけられた。
テーブルに隠れて分からなかったものが、見えた。
もう手遅れなんだよねぇ、とそそり勃つモノに、顔を近づけさせられる。
ジィー、とズボンのチャックがさげられる音が、響く。
抵抗して暴れると、他の2人がボクの背後に立った。
1人は耳に、もう1人は首筋に、舌を這わせる。
ゾワッと体が震え、力が出ない。
助けを求めようと周りを周りを伺うが、皆、見て見ぬふりだ。
だからボクは、人が嫌いなんだっ
「やっ・・・めて・・・っ!」
やだ・・・
助けて・・・
助けてりっちゃんっ!!
ギュッと目を瞑った瞬間、男が呻き声を上げた。
放される頭。
横に倒れるリーダー格らしき男。
まさか、と思って顔を上げると、
蹴り上げた足を元に戻すりっちゃんが、立っていた。
〜奏side〜 END
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