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バカか、オマエは。
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出口にたどり着いた俺達を待っていたのは、やはり、変態だった。
『おかえりぃ〜・・・』
「ただいま。
言うほど怖くなかったぞ?」
『そーかよ・・・
そりゃ、よかったね。』
雪里は、なぜか不機嫌だった。
"弱いって特だねぇ"、とか、
明らかに奏への悪態なのだが、俺に向かってブツブツ文句を言っている。
なぜだか分からず、ムッとしてくる俺に、奏が耳打ちしてきた。
『ボクらが手、繋いでるからかもね?』
ハッ!と気付き、奏の手を放す。
奏は特に気にしている様子はなく、
"ありがとう"、とニッコリ笑う。
どうも、と俺は照れ隠しに視線を雪里に向けた。
変態バニーが、腕組みをして睨んでるのが、見えた。
『なぁ、オレ、フリーなんだけど。』
イライラした様子で告げる雪里に、俺は首を傾げた。
フリーだから、何なのだろう?
そもそも、なんで雪里がイライラしてんだよ。
元はと言えば、雪里が焚きつけたから、奏が強がって無理してお化け屋敷に入ったんだろうが。
明らかに八つ当たりだったので、俺は雪里を睨んだ。
すると背後から、挑発的な言葉が飛び出してきた。
『長谷川さん、ヤキモチ焼くのは勝手ですけど、りっちゃんに当たったら、逆効果で嫌われちゃうよ?』
余計なことをっ!、そう思ったのもつかの間、雪里が反撃に出た。
『オマエなぁ!
律に守られてばっかの立場で、よくそーゆーこと言えるよなぁ?』
『これから守ってあげるんだもんっ!』
『じゃあ、見せてみろよ?』
『望むところだっ!』
・・・数刻前に同じようなことしてたよな?コイツら。
そう呆れて見守っていると、右腕を奏に、左腕を雪里にガッチリ掴まれ、ズルズル引きずられてしまう。
抗議の言葉を述べても、口論しながら歩き続ける2人は、聞いちゃいない。
それから俺は、ウサ耳フードと変態バニーの仁義なき戦いに、数時間付き合わされるのだった。
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