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誰に何て言われようと。
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?雪里side?
オレはもうすぐバイトが終わるので、それまで奏チャンに待ってもらった。
勉強を教えるにしても、実際に力量を見てから対策を練りたかったから。
オレはバイトが終了して帰り支度をして、奏チャンを連れて自宅に帰ることにした。
勿論、勉強を見てあげるために。
いくら奏チャンが可愛い顔してるからって、家に連れ込んでどうこうする気はないよ。
それにオレ、律一筋だしっ!
浮気はしません、絶対に!
でもまぁ、ぶっちゃけ奏チャンとは仲良くしていたいってのも事実だけど。
もちろん、友達としてっ!
生意気で、顔合わせる度にケンカばっかだけど、それでもなんか見てて面白いし。
律に好意を持ってる同士って形じゃなけりゃ、もっと仲良くなれたんだろうけど。
奏チャンはオレのこと大っ嫌いらしいけどね・・・。
『長谷川さん、その百面相、気持ち悪いですよ?』
ほら。
止めてって言ってんのに敬語だし。
しかも、ニャンコ剥がれてるよ。
でも、今は一応、オレのが優位な立場なんで。
オレが"生意気言うなら教えない"と言うと、奏チャンは黙ってしまう。
オレはそんな奏チャンが新鮮で、ついついイジメたくなるのを抑え、自宅までの道を歩く。
ここでホントにイジメたら、変態認定度が急上昇しそうなんで。
何度かそんなやり取りを交わしながら、オレ達は自宅に着いた。
奏チャンに、適当に座ってて、と言って、オレはコップに冷たい緑茶を注ぐ。
1DKだけど、なかなか快適な我が家。
片付いているほうだとは思う。
キレイ好きっぽい奏チャンにしてみれば、居心地が悪いかもしれないけど。
そういえば、友達?を家に連れて来るの、奏チャンが初だわ。
律を連れてくる作戦、結局実行出来てないし。
高校生とは忙しいもので、趣味の類いを隠す時間も無いんで、普段のおトモダチは呼べないんでね。
オレって、面倒臭い奴に育ってしまったのよ。ホントに。
『長谷川さん?』
「あ!ゴメンゴメンっ!
ほい!緑茶どーぞ。」
ありがとう、と素直に受け取る奏チャン。
他人の家にあがったことでの緊張でか、敬語が取れてる。
そのまま気付かなければいいのに、と願いながら、オレは物置から紙の束を取り出した。
過去問の。
硯木のじゃないけどね。
だって硯木、マークシート式ばっかなんだもん。
勉学の力量を調べるには、やっぱ記述式っしょ。
オレはそれを奏チャンに渡した。
奏チャンは、上着のポケットからシャーペンと消しゴムを取り出し、構えた。
なかなかギャグっち・・・可愛いことすんのな、奏チャン。
オレは壁に掛かったタイマーをセットし、合図の声を出す。
カリカリとシャーペンが走る音が、狭い部屋の中に響く。
筆圧強いなぁ、なんて思いながら、オレはなるべく静かに物置をあさる。
奏チャンが解き終わるまで、中学の教科書読んで復習したかったから。
意外と忘れてたりするんだよね、中学のって。
特に英語と数学。
高校でも習うけど、"中学ではここまで!"って法則、いっぱいあるんだよね。これが。
間違って高校で習う解き方、教えるわけにはいかないし。
学校によっては加点してくれる所もあるけど、
硯木はそこ、変にシビアなんだよね・・・。
まぁそこは、奏チャンの学力を見てから悩もう。
オレは部屋の端っこに座り、教科書の山を読み始めた。
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