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誰に何て言われようと。
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驚きで思わず開いてしまった口内に、ぬるりとした生暖かいものが侵入してくる。
艶めかしく動くそれに、俺は眉をひそめた。
長く深い口付けで、酸素が足りなくなる。
奏は、俺の呼吸を阻止するように、片手で俺の鼻を摘まむ。
第三者が見たら、さぞ異様な光景だろうな、と、
酸素がなくなりボーッとしてくる頭で考える。
意識が遠退く寸前で、舌が引き抜かれた。
ついでに、鼻も解放される。
数分ぶりの、新鮮な空気。
しかし呼吸を整える間もなく、
今度は首筋に舌が這わされる。
ツーッと一直線に舐め上げられ、
俺の口から声が漏れる。
抵抗すべく上げた手は、紐で縛られて、奏の左手によって床に固定される。
この状況で、
"どこからそんなん出したんだよ"、
なんて冷静に考えられるのは、
多分、俺だけだろう。
首から耳元まで上がってきた舌が、
ヤラシイ音をたてる。
空いていた右手が、俺のスウェットの中にするりと入りる。
胸の突起への愛撫に、ビクッと体が跳ねる。
"どこでそんなん覚えたんだよ"と内心、悪態をつくが、
俺の口から漏れるのは、快楽に呼応するような声だけだった。
どんどん加速していく行為に、
俺は本能のまま喘ぐ。
抵抗は、必要最低限しかしない。
俺へのこの行為で奏の気が済むなら、それでいいと思った。
奏が、俺と本当に離れたくてやっていることなら、受け入れようと思った。
それで、なんの何の悔いなく家から出ていけるのならば、それで。
気付いていた。
奏が、俺の家から出て行こうとしているのを。
学校説明会が終わって家に帰ってからの奏の様子が、おかしかったから。
いつもより口数が増えていた。
けれど、俺からの質問はあまり聞いていなく、ボーッと何かを考えているようだった。
俺は、すぐに柏崎関係だと感づいた。
そして、奏の性格上、家出にはしるな、と結論に至った。
でも、俺は気付かないふりをした。
結局、これは奏の問題であって、俺の我が儘でどうこう出来るものではないから。
奏が出て行くことを決断したならば、それを受け入れようと思った。
無力な俺は、奏に何もしてやれなかった。
柏崎から守ることも、制服を奏の元に届けることさえ出来なかった。
だからせめて、気持ち良く去っていって欲しかった。
奏が心から笑ってくれるなら、
どうにでもされてやると、
決めたのだ。
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