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誰に何て言われようと。
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はぁはぁ と熱の籠った2人の息が、
台所に現れては消える。
繰り返される愛撫の中、
俺は何度も絶頂の時を迎えていた。
しかし、あと一歩のところで奏は動きを止める。
行き場の無い、不完全な、感覚。
焦らされて焦らされて、
頭がおかしくなりそうなくらい焦らされて。
そんな俺は、奏にズボンを下ろされてそそり勃つモノに触れられただけで、あっさりイッてしまった。
何とも言えない倦怠感が、俺を襲う。
まだ整わない呼吸の中、俺は気まずそうに呟く。
「あー・・・、かっこ悪ィ・・」
『カッコ悪くなんかないっ!』
叫び声と共に、バンッと顔の近くの床に叩きつけられる、奏の両手。
間近に見える、切なげな瞳。
"りっちゃん"と、奏の熱い吐息が降ってくる。
俺は、"いいんだぞ?"とばかりに微笑む。
奏ももう、限界が近いのだろうから。
でも、奏は首を振った。
そして、俺の両手を縛る紐を、解いた。
自由になった手は真っ先に、
奏の頭に向かった。
俺は奏の頭を優しく撫でながら、
奏の瞳を見つめる。
「どうやら俺は、
奏を嫌いには、なれないらしい。」
奏の瞳から流れ落ちた雫が、俺の顔を濡らす。
崩れるように、奏は俺の上に落ちてくる。
『りっちゃんっ・・・
ごめんなさいっ、ごめんなさいっ・・・』
耳元で何度も呟かれる、謝罪。
別に、謝らなくてもいいんだけどな。
俺は泣きじゃくり震える奏の体を、
優しく包み込む。
冬も目前な深夜の寒さは、
奏の子どもらしい高い体温によって和らげられる。
「奏、俺のとこ、戻ってきてくれるか?」
奏は、うん、と頷き、微笑んだ。
随分遠回りしたけど、
俺が言いたかったのは、
この一言だけだったのかも、しれないな。
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