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たまには、な。
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1階に下り、俺は晩ご飯を食べ始めた。
奏は、ミニツリーを持ってリビングをグルグル回っていた。
"ここがいいかな?"
"あっちにしようかな?"
と、本当に楽しそうだ。
「奏、
24日と25日、空けといて。」
え?、と奏が振り返る。
そして、俺の斜め前のイスに座った。
『元々、空いてるよ?
やること、家事と勉強だけだし。』
「そっか。」
突然どうして?、と首を傾げる奏を俺はじっと見つめる。
真っ白い肌が、ほのかに赤くなる。
「雪里と3人で遊ぶ予定だから。」
途端に、奏の顔から笑みが消える。
"そっか"と呟く声は、暗く沈んでいた。
俺は味噌汁を啜りながら、
"どっちかにな"と付け足す。
『もう1日は?』
奏は口にはしないが、どう考えても、"期待してないよ"という感じだ。
そんな奏に俺は、"考えといて"と告げる。
意味わかんない、と拗ねる奏に、俺は、ふっ、と微笑んだ。
「行きたいとこ、連れてってやるから、考えといて。」
『それ、長谷川さんに聞いたほうが・・・』
「俺と2人なんだけど。」
えっ?、と驚いて開かれた口に、
俺は唐揚げを突っ込む。
はふ、と言う鳴き声に、思わず吹き出してしまう。
『ふぃっふぁん、ふぁんふぇ?』
「なんでって・・・
俺がそうしたいから。」
モグモグしながら叫ぶ奏に、
次は何を食べさせようか考えながら答える。
奏への餌付け、ハマりそうだ。
"りっちゃん"と熱を持った声が聞こえる。
「どこも混んでるだろうけど、
迷子になるなよ?」
赤くなる奏の口をエビフライでつつく。
奏はそれをパクッと食べ、
"わかってる"とはにかむ。
俺は満足そうにし、ごちそうさま、と言ってイスから立ち上がる。
そして、奏の頭をワンタッチし、
風呂場に向かった。
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