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たまには、な。
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?奏side?
12月上旬、木曜日の夕方。
ボクは、とてもとても幸せな気分だった。
もう、このままどこかに飛んでいっちゃいそうなくらい、舞い上がっていた。
「えへ、えへへへ・・っ痛?」
そんなボクの頭を、丸めた冊子で殴るバカが、ここには居た。
『テスト中にニヤニヤしない。』
"もうすぐ休憩にするから"と呆れた声に、ボクは内心、舌打ちをした。
このバカは、人が幸せにしてるのが妬ましいのか。
ボクは、"はーい"と返事をし、
問題に集中した。
ボクは今、長谷川の家で勉強を教えてもらっている。
ボクは毎週、火、木、土の3回、
長谷川の部活が無い時に、ここに通っている。
長谷川は、りっちゃん家でやるか、と提案してきたが、お断りした。
家に居ると、色々やりたくなっちゃうから。
今日だって、りっちゃんが帰ってくる前に窓拭き終わらせたかったのを我慢して来た。
それに、長谷川といる時にりっちゃんが帰ってきたりしたら、またケンカになりそうだし。
遊びと勉強のメリハリくらい、ちゃんとつけたいし。
とは言ったものの、今日はメリハリがつきそうにない。
だって、仕方ないよ。
りっちゃんが、ボクと2人っきりでクリスマスを過ごしたいって、言ってくれたのだから。
ボクは、緩み始めた頬を叩き、喝を入れる。
今は、模擬試験の過去問を解いているのだから、さすがに集中しないとね。
それに・・・
ボクは、長谷川をちらりと盗み見する。
解答・解説ブックを読みながら、右手で赤ペンを回している。
でも、いつもより成功率が低いし、
ため息も多い。
長谷川の機嫌が、悪い。
怒ってるっていうより、落ち込んでるって感じだけど。
ちゃんと教えてくれるし、ボクにはあまり悪影響はないんだけど・・・
『奏チャン、手、止まってる。』
「・・・ごめんなさい」
なんと言うか、
変な圧迫感を、感じる・・・。
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