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たまには、な。
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カフェから4、5分歩いた所に、ゲーセンがある。
赤や緑のライトが光る外装は、いつ見ても目に悪い。
賑やかな音も、外に漏れ出していた。
隣で奏が、"わぁ?"と感嘆の声を上げた。
そのぶんだと、ゲーセンは初めてなのだろう。
俺達は店内に入り、カウンターにいる従業員に荷物を預けた。
荷物を受け取った男が、
俺に、"可愛い彼女さんですね"と、冷やかしの耳打ちをした。
俺はその言葉を受け流しながら、奏を盗み見る。
奏は、すでにクレーンゲームの景品を眺めていて、聞いていなかったらしい。
『りっちゃんっ!
これ、取れる?』
俺は、"どれだよ"と訊きながら奏に近づいていく。
奏の指差すものを確認し、小銭を入れる。
あとはもう、空間方向感覚と勘で。
ポスッと筒の中に、やたらデカイ白うさぎのぬいぐるみが入る。
奏はそれを取り出し、愛おしげに抱き締めた。
『りっちゃん、ありがとうっ!』
「どーも。」
大したことしてないのに、お礼とか気恥ずかしい。
俺は照れ隠しで、
"それ持って帰るんだぞ?"と面倒臭げに言ってみる。
奏は、"りっちゃん3号だからボクが持つ"とニコニコして、次のターゲットを見定める。
今まで買ったやつ、全部俺が持つのかよ・・・
ちなみに、"りっちゃん2号"は、
文化祭の時に俺が取ってやったクマのぬいぐるみ。
あれもデカイ。
「デカイの、好きだよな。
オマエ。」
『だって、りっちゃん大っきいもん♪』
そりゃ、奏よりはデカイけど。
そんなにデカイか?俺。
奏の持つデカうさぎを凝視しながら、俺は唸る。
デカけりゃ何でも"りっちゃん"なのか?
そんな疑問を抱き始めた矢先、
奏が俺の手を掴み、グイグイ奥へ進んでいく。
"小りっちゃん8号が見つかった"と。
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