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転機 2
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それからどれだけ時間が経ったかは分からないが、またあの二人がやってきた。
また来ると言っていたが、まさか本当に来るとは思っていなかった。
一体どうやってバレずに来ているのだろうか?
あの男が許可しているようには思えないが。
そんな話も出てこないし、いつも通りだった。
俺に話しかけてくるが、前のように無視して二人が帰っていくまで水面にぼうっと浮いていた。
しかし、そんなことが何度もあり、俺は二人がやって来るのに慣れ始めていた。
声をかけてこようが、俺はいつも背を向けていた。
相手にしても無駄だ。
ここから出してくれるような力は無いだろうし。
「人魚さーん、遊びに来たよ」
また何時ものように小さい声でそうっと入ってくる。
俺は水槽を自由に泳いでいたのをやめ、二人に背を向けて底にある岩に腰をかけようとした。
その時チラッと目の端に光るものがうつった。
何だろうか?
時折光る物に目を奪われて、目をこらす。
金髪の男の子ではない、黒髪のきつい目つきをしている男の子に目がとまった。
その片耳に光る飾りがキラキラしていたのだ。
俺の好きな深い青色だ。
もっとよく見たくて近くへ泳いでいく。
二人はいつもの俺と違う動きに驚いたのか目をパチパチさせていた。
水槽のガラスに両手を当てて顔を近づける。
あの飾りやっぱり綺麗だ。
ツルツルした丸い玉が気に入ってしばらく見つめていた。
すると、見られていた黒髪の男の子が数歩後ろに下がった。
あぁ、もう少し見ていたい。
「あ……サーナ。人魚さんが残念そうな顔してるよ?」
サーナ?
この黒髪の男の子の名前だろうか。
何でもいいがもう少し見たいのだ。
俺はサーナと呼ばれた少年を指さし、次に自分の耳を指さした。
飾りの事を指していると分かってくれるだろうか?
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