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生活 11
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それなら小さい願いなら聞いてくれるのかと思い、他にもいろいろ言ってみることにした。
「後、甘いものが食べたい。それと、たまに外に出たい。一日することがないから何かしたい」
「色々言い過ぎだ。 ったく、調子に乗って。陸で何も出来ないのは仕方ないだろ、人魚なんだから」
確かにそうだが、暇なものは暇なのだ。
「それなら何か話が聞きたい。人間がつくった物語とか」
「あー、それなら本があったな。今読むなら持ってきてやるよ」
そう言って家に向かおうとするルーシャを引き止める。
「字は読めないから、読んで欲しい」
「は? 俺が読むのか? ……仕方ないな。ちょっと待ってろ」
しばらく待っていると、ルーシャが一冊の本を持ってきた。
「子供向けの本を引っ張り出してきた。これならページ数も少ないしそんなに時間も掛けず読めるから」
子供向け?
ルーシャの物か気になったが、聞いて機嫌を損ねては読んでくれなくなるかもしれないのでやめておいた。
ルーシャはそんな俺のことは気にせず、ページをめくり読み始めた。
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