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そもそも人と人魚は考え方も違うと思うのだが、そのあたりを分かっているのだろうか。
「人魚にそんな事言っても分かんねぇだろ」
ルーシャと話していると、突然厳しい声が聞こえた。
「サーナ様!」
ルーシャが慌てて駆け寄っていく。
「出迎えもせず申し訳ございません。今日はどうされたのですか?」
ルーシャの変わり様はすごい。
何故俺とサーナでこんなにも態度が違うのか……。
「少し落ち着いたからな。様子を見に来た」
そう言いながらルーシャに上着を渡している様子を見ると、疲れたような顔をしている。
「ルーシャ。こいつとは仲良くやってるか?」
俺の方を指して問うと、ルーシャは目を泳がせながらも、「はい。大丈夫です」と言う。
「そうか、なら良かった。まだ当分の間はここにいてもらうことになると思うからな」
「え、ずっとここにですか?」
「ああ。なんだ、問題あるか?」
ルーシャは何か言おうと口を開けたが、何も言わずに首を振った。
おそらく俺に早く出ていって欲しいのだろう。
俺だって海に帰りたい。
「サーナ、俺なら次は捕まらないから海に帰りたいんだが?」
そう話しかけると、「駄目だ」とすぐに声が飛んできた。
「お前は全然分かってねぇ。今海に帰ればすぐに捕まるぞ。 それに海を挟んだ向こうの国の王様が人魚の捕獲に力を入れているらしいからな」
他の国の王様が?
なぜそんなに人魚を欲しがるのか。
本当に人間というものは欲深い。
「その王様にこの国に人魚がいると気付かれるとまずい。いいか? 俺達以外には姿を見られるなよ。どんな奴が今の混乱に乗じて入り込んでるのか分からないからな」
そうしっかりと念を押されては簡単に海に帰ることは出来なさそうだ。
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