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お茶会 4
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バンッとテーブルを叩く音で驚いて驚いてルーシャを見ると、顔を真っ赤にして立ち、こっちを睨んでいた。
「どうした?」
「いやいや、どうしたじゃねぇだろ!? お前、い、い、今何した?」
そんなに怒るような事をしただろうか?
「口に付いてたから取っただけだが?」
そう言うと、ルーシャは驚いたように目を見開いて「取り方がおかしいんだよ!」と叫ぶとしゃがみ込んで髪をぐしゃぐしゃとかき回した。
「だからって何でいきなり口で取るんだよ……意味分からねぇ」
ぐしゃぐしゃになった髪の隙間から睨みながら、ぶつぶつと文句を言ってくる。
「いいか? 人魚はどうか知らないけど、人間は軽々しく口なんかに触れたりしないんだよ」
「何故?」
そう聞くと、ルーシャは少し答えに詰まった。
「そ、それはだな、人間にとって口づけは特別と言うか、好きな相手にしかしちゃいけねぇんだよ。分かったか?」
さっきの事がそれほど特別な事なのだろうか?
少し考えてみたが、よく分からない。
「俺はルーシャが好きだし、それに人間じゃないから当てはまらない」
その言葉にルーシャはまた赤くなったが、すぐに首をブルブルと振って大きな溜息をついた。
「好きにも色々とあるんだよ……とにかく! 簡単にさっきみたいなことはするなよ。他の奴にも絶対駄目だ」
強く念を押されて、よく分からなかったが、人間とはそういうものなのだと、とりあえず納得した。
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