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練習の日々 9
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部屋に戻ると、サシャは明るく手を振りながら、いつものようにまた来るね、と言って帰って行った。
「気分転換にはなったか?」
寝台に座って窓から外を見ていると、ルーシャが俺の髪に付いていた草などを取りつつ聞いてくる。
「綺麗だった」
「そっか。それなら良かったな」
今度は髪を櫛でとかそうと、ゆっくり手を動かしていく。
その手つきに段々と瞼がおりてくる。
眠い。
うとうとしていると、それに気付いたのかルーシャが額をピシャリと叩いてきた。
「……い、痛い」
叩かれたところを手で押さえてルーシャを見ると大きなため息をついた。
「何堂々と寝ようとしてんだよ。ったく、人が綺麗に髪の毛といてやってんのに」
面倒そうにそう言いながらも、ルーシャは動かす手を止めない。
何だかんだと口では文句を言っても、ルーシャは優しいのだ。
意外と世話焼きなのかもしれない。
綺麗に髪をといてもらってから礼を言うと、「はいはい、じゃあまた明日な。おやすみ」と言って明かりを消して部屋から出て行った。
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