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体調不良 2
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翌朝、いつもなら鳥のさえずりで目を覚ますが、今日は違った。
「う、うわぁ!」
大きな叫び声と共に何か落ちたような派手な音がした。
まだ眠かったが、ゆっくりと目を開けると暖かい朝の日差しが窓から差し込んでいた。
今日もかなり天気がいいのか眩しい。
少しぼんやりとしながら音のした方へ目をやると、ルーシャが床で顔をしかめながら腰のあたりを手でさすっている。
「落ちたのか?」
朝からうるさいと思いながらも、痛そうな顔をしているルーシャに大丈夫かと聞けば、何故かキッと睨まれてしまった。
「何で一緒に寝てるんだよ。起きたとき心臓が止まるかと思ったじゃねーか!」
腰の次は胸のあたりを押さえて言う。
そう言われても、仕方が無い。
床で寝るのは痛いし、充分な広さがあるなら一緒に寝ても問題ないだろう。
そもそも……
「下敷きにされた」
「どういう意味だ……?」
夜中、ふと引っ張られるような感覚に目を覚ますと、髪の毛の大半がルーシャの体の下敷きになっていたのだ。
そのせいで動けなかったし、痛かった。
それにボサボサになった。
「なんだ、髪の毛か」
安心したように言うが、俺としてはなかなか痛かったのだ。
「ルーシャがあんなにごろごろと動くとは思わなかったし、そのおかげで髪が大変なことになった」
絡まった髪の毛の束をずいっとルーシャの目の前に突きつけると、申し訳なさそうに謝られた。
髪を突きつけたついでに、昨日より顔色が良くなったか確認するために顔をじっと観察する。
ルーシャは見られて居心地悪そうに少し後ろに仰け反ったが、その顔色は昨日より赤くはないようだ。
「体は大丈夫か?」
聞くと、不思議そうに首を傾げる。
「昨日頭が痛いと言っていたから」
その言葉に昨日のことを思い出したようだ。
早く帰ろうと急いでいたら熱さのせいか、段々と気分が悪くなってきたらしい。
「悪かったな。……色々と」
「いや、もう大丈夫ならいいが……。水でも飲むか?」
水を持ってきて渡すと、何故か驚いた顔をされた。
「……? 何だ?」
手渡した水を受け取ると勢いよく飲み干した。
「いや、何か今まで俺が色々と世話してたから、お前から何かして貰うって変な気分だ」
そう言って少し笑う。
「その言い方だと俺が何もしてなかったみたいじゃないか」
「してなかっただろ。ずっと風呂場でぼーっとしてたんだからな」
「酷い……が、振り返ると反論できない」
確かにルーシャにやって貰ってばかりだった。
しかしそう言われると少し引っかかる。
ルーシャはそんな俺を見て意地悪そうに笑う。
「それなら、たまに俺が世話する」
そう言うと、ルーシャはおかしそうに吹き出し、「そんな事いいから取り敢えず座れ」と寝台へと座らされた。
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