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最悪な日常と物語の始まり .1
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桜side
「はぁ~…やっちった…」
俺は今、猛烈に反省していた。
いくら恥ずかしくても、殴るのは不味かっただろう…
会って謝りたいような、恥ずかしいから謝りたくないような。
……そんな気持ちに、溜め息が出る。
ブルブルルルル…
スマホのバイブレータが鳴り、画面を見つめて俺はため息を溢した。
微かに、身体が震える。
「…もしもし……分かりました。今、帰ります…」
淡々と相槌をうち、電話を切る。
ぎゅっと制服の裾を握り、俺は家路を急いだ……
*****
「……只今帰りまし…!ッ…痛ぅッ………!!」
全てを言い終える前に、ガラスのコップが飛んでくる。
やっぱり痛いな…だなんて他人事のように思いながら、地面を見つめる。
玄関に、地面に散乱したガラスが俺を映していて。
「遅ぇーんだよクソガキッ……!!」
まるで、全てを諦めたように笑っていた。
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