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壊レタココロ.4
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那雪side
――――――…初めて知った、俺が生かされた理由。
『ナユキ…大好きですよ…』
思い出すのは………あの、鮮やかな金髪。
優しい色を纏った青い瞳。
今思えば……どれも桜に引き継がれているのに、何で俺は気付かなかったんだろう。
なぁ、アネモネ……
アンタに救われた命は、桜を助けるために使うから。
だから、見守っていてくれ。
「だから俺はッ……!!俺の太陽を奪ったお前を許さない……ッ…!!
お前の大事なもの全て壊して、天宮 桜を壊して……俺がアネモネを手に入れるんだ!!」
蔵根の言葉に血が昇った。
桜は殺させない。俺の命に換えてでも。
互いに、拳銃を向け合う。
――――――…その時俺が、桜の見ていたそれを、ちゃんと認識していれば……
こんなに後悔することは無かったのに。
突然に、俺を押し飛ばす桜。
そしてほぼ同時に鳴り響く発砲音。
「………ッ…さく…ら……」
目の前で鮮血が舞う。
ゴプッ………と音をたてて倒れこむ身体。
桜の白いYシャツが、段々と赤く染まり……冷たい床を濡らしていく。
思い出すのは、血に濡れて冷たくなった両親の姿。
「うぁ"あぁぁあ"ぁぁぁぁ"あぁッ……!!」
叫びながら蔵根と、その奥……
俺の死角にいた、拳銃を持って震える桜の父親に銃声を乱射する。
カチッ…カチッ…と薬莢が空になるまで撃ち続け……
俺は、その場に崩れ落ちた。
「………ッ…ぐ、ぅ…志…藤……ッ…那、雪ッ………!!」
「………蔵根…」
肩と腕、太股を赤く染めた蔵根がヨロヨロと立ち上がる。
桜と同じように恥辱された跡のある茶髪の青年が、蔵根の側に寄り添って、
最後、心配そうに桜を見て……歩き出した。
「………桜、なぁ…目、開けろよ……」
血濡れの桜を抱き上げる。
背中の傷口は、コプコプ………と血を流し続け、俺の腕を赤く染めていく。
「若ッ…!!ご無事でしたか……ッ…!!」
後ろから笠木と芝澤の声が聞こえて、
振り向くと俺の生存に安堵した表情の二人と、部下達がいた。
俺の腕の中で血を流し続ける桜を見つけると………二人は表情を強張らせる。
「芝澤、直ぐに車の手配を」
二人の登場で少し動揺が解けた俺は、
桜を生かすために………今出来る最善の手を打って、桜の手を握った。
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