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嵐の来訪2 (sideアーサー
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早速、思っていたより厳しい当たり方をユーリはされた。
『可愛くない』という言葉には少し首を傾げたが。
初対面にあんなことを言われれば私であれば腹が立つがユーリでは萎縮をしてしまうだろう。
現に、ユーリの目は怯えの色を浮かべている。
「そうだわ…!今夜はパーティにしましょう?2人だけで…アーサーの誕生日を祝うの…豪華な食事と…これから私が焼くケーキと……」
エイダはそんなユーリを全く気にする素振りを見せず1人で今夜のことについて考えていた。
アーサーは静かにため息を吐く。
「キッチンを貸して頂戴?」
「…あぁ…向こうにある。」
「ふふ…とびきり美味しいのを焼くから待っていてね…!」
エイダはそう言うとあっという間に小走りで廊下の向こうに消えた。
アーサーは今度は大きな重いため息を吐きユーリを振り返る。
「おいで。」
アーサーに声をかけられたことが嬉しかったのか、ユーリは顔を明るくさせた。
ほら、こんなに可愛い。
「…そ、そっちに…行っても…いいですか…」
エイダに言われたことを気にしているのだろうか。
ユーリは微妙な距離で立ち止まりアーサーを見上げた。
「……エイダがいないときはな。」
「…!」
ユーリはふにゃ、と笑ってアーサーに駆け寄る。
「…さっきはすまなかった…エイダがいる間はお前に構ってやれないが……私のそばからは離れるなよ。」
「…あ…ありがとうございます……」
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