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嵐の来訪3
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「どう?美味しそうでしょう?」
今の段階ではまだ何を作ろうとしているのかすらわからないが、エイダは得意げにアーサーに調理過程を見せてきた。
「そうだな。」
エイダにキッチンに呼ばれて来たものの、横にユーリの姿はない。
ユーリを連れてキッチンに入ろうとした瞬間、「汚いからキッチンに入れたくない」というエイダの言葉で、ユーリはキッチンに入ることが出来なかった。
早速ユーリを側に置いておけなくなったわけだが……
…因みに、ユーリはとても綺麗だ。
元々汚くなどない。
むしろ、この化粧で固めた女よりかは断然綺麗なはずだった。
「本当にそう思ってる〜?」
「…あぁ。」
アーサーは先ほどから短い返事しか返していない。
相手は女で、その上仮にも婚約者なのだ。
喋り出すと相手を罵るような言葉しか出ない気がして、黙って窓の外を見ることしかできなかった。
「もう…アーサーったら…いっつもそんな風なんだから……まぁ私はそんなところも………」
エイダは何やらブツブツと話しながらたくさんのフルーツを切りクリームを作ったりスポンジ部分を作ったりと忙しそうに動いている。
「…私はここに居なくても良さそうだな。」
アーサーの呟きを聞いていないのか、エイダは鼻歌を歌いながらオーブンを温め始めた。
アーサーは小さくため息を吐き、ユーリの元へと足を向けた。
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