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疑問 (sideエイダ
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ケーキを焼くまでアーサーと過ごせると思っていたのに、気づいたときにはもうキッチンから消えていた。
心配になって探しにきてみたら、膝の上に、奴隷…を乗せて、あろうことに本を……
「な、何なの、あ、あの奴隷は…!」
「…ユーリだ。数ヶ月前からこの屋敷で暮らしている。」
淡々とした様子で答えるアーサーとは裏腹に、エイダはますます混乱していく。
「そ、そんな…じゃあ、あ、あれが、この屋敷をうろうろと歩き回って、あ、挙句に…ベタベタと城内の物を……!」
「ユーリは勝手に行動をしない。勝手に物は触らない。」
「…!そ、そういうことじゃないのよ…!しかも…な、な、名前まで………!」
「番号で呼ぶのは少し変だろう。」
「奴隷なんか番号で十分よ…!!!」
「それでも私が呼ぶのには不便だ。」
「………………………」
そんなアーサーの態度に、私もだんだんと落ち着いてきた。
でも、疑問はまだまだ残っている。
「……あの奴隷は…何故アーサーの側に………?」
1番の疑問だった。
メイド服を着ていたみたいだけど…わざわざ奴隷を使う必要なんかないはずで…
それに、本を読むなんて……
「……………………」
アーサーは考え込むように口元に手を当てる。
「…ねぇ何故……?」
「……………………」
「…?…アーサー…?…どうし…、……っ……」
俯いたアーサーの顔を覗き込むと、そこには私の見たことのない表情を浮かべる顔があった。
「……あ、あまりにも…その…愛らしくてな……」
ぶち、と頭の中で何かが切れた音がした。
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