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退屈王子
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「それでねアーサー、サリーったら……」
「………………………」
(そもそもサリーとは一体誰なのだ。)
どうやらエイダはアーサーの知らない友人の話をしているようだが、正直何も面白くない。
本人は心底楽しいようだから放っておいているだけで。
アーサーはいつもと変わらない表情で適当に相槌を打って、食事をする。
もちろん、内心はユーリのことで一杯なのだが。
「……………………、………」
隣にはペラペラと、何かを話す女。
食事も…少し、味気ない…ような気がする。
『どうだ、美味いか。』
『はい…!アーサーさま、これはなんですか?』
『それは鮭のムニエルという料理で…』
『おれ、えと、…むえ…えと、むえにるすきです。』
『ムニエルだ。そうか、お前はそれも好物か。記憶しておこう。』
こんな会話は1度もしたことがない。
そもそも、ユーリに鮭のムニエルを食べさせたこと自体ないわけだが……
(……だが……きっと…ユーリなら………)
「聞いてる?アーサー?」
「、…あ、ああ…」
(………そうか…私は………つまらないのか………)
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