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バースデー2
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「リーシャにアーサーの写真を見せたの、そしたら『すごくハンサムだわ!』って。当然よね、私の婚約者ですもの。」
「…………………………」
「ミリアにも自慢したの。彼女なにかというと私と張り合おうとするんですもの。でもアーサーのことを婚約者だって言ったら羨ましそうな顔してたわ。」
「…………………………」
「それとね、私に交際を申し込んできていたルスツ王国のシム皇子という方がいたんだけど…あんなにしつこかったのに写真を見せたら敵わないって言ってあっさり諦めたのよ。」
「…………………………」
「アーサー様。」
「…………………………」
「アーサー様。」
「…………………………」
「アーサー様!」
「…!」
「………大丈夫ですか……?」
「…あ…あぁ……アリアか…なんだ…」
最初こそ適当に会話しようと思っていたアーサーだったが、エイダはアーサーが思っていたよりもはるかに話が長かったらしい。
疲れきったアーサーのげんなりとした目がアリアを捉えた。
「え、と……、…は……」
「…は…?」
「…は…………………………ハッピバースデートゥーユー…」
「……?」
「ハッピバースデートゥユー」
アリアの歌は段々大きくなり、ドアの近くに立っていた数人のメイド達も小さく手拍子をし始める。
そのまま、アーサーは唖然とした様子でアリアがドアに向かうのを見ていた。
「な、なんなのよ…こんなの私は…」
「アリア…これは一体……」
アーサーの説明を求める視線に、エイダはドヤ顔で親指をたてる。
「お誕生日おめでとうございますアーサー様!」
「いや、だから私はお前の主人だからそういう…あ、いやそうじゃなくてだな…あの……」
アリアは戸惑うアーサーを無視し扉の向こうに何かを言うと、思い切り扉を開いた。
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