アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
扉
-
客室の大きなドアの前に立たされた。
いつもは別棟で過ごすので、こちらにきたことはない。
流石貴族である。
別棟とは違い、温かみのある広くて綺麗な作りの屋敷に、涙も忘れ感嘆の声を漏らしながらキョロキョロと辺りを見回す。
そんなユーリをまだ冷たい目で横眼にしながらメイドは大きな扉をノックした。
「アーサー様、トティ様、奴隷150番を連れてきました。」
「入れろ。お前はもう下がっていい。」
(あ、アーサーさまかな…思ったより声が低いな…)
「…かしこまりました。」
メイドはユーリに「入れ」と合図をすると、 さっさと立ち去ってしまった。
扉の前に1人、取り残される。
(ど、どうしよう。)
しばらくして、痺れを切らしたのか、中から さっきと同じ声がかかる。
「早く入れ。言葉がわからんのかグズ。」
ビクッと体が揺れる。
(冷たいこえ…怒ってる…こわい…。)
ユーリは滲む手汗を粗末な服で数回拭った。
恐くて足が竦むし、全身ガタガタと震えている。
また涙が浮かんできた。
(は、早く入らないと…むち…打たれる…。)
ユーリは決心をして重い扉を開いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 207