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奴隷商人
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「し、しつれいします…。」
部屋に入ると、後ろの机に向かっている人物が2人。
恐らくユーリの値段の計算をしているのだろう。
すると商人らしき男がこちらを向いた。
「おや…これはまた随分と…可愛い子ですな…。」
男はユーリを上から下まで舐めるように見つめている。
(…こわい…気持ち悪い……ルジン……)
「おや?震えているね…可哀想に…。
ヴィンセント卿本当にこの子を売ってくれるんですかい?」
(ヴィンセント…?……アーサーさま……)
アーサーは後ろを向いたまま答える。
「…ああ、構わない。
そいつが1番役立たずなようだからな。仕事ができない奴を置いたって仕方なかろう。」
「仕事…ですか。この子なら…他にも使い道がありそうですがねぇ?へっへっへ…。」
「……俺には男を抱く趣味はないもんでな。」
アーサーの声には少しの嫌悪が混じっている。
「…そうですかい……ヴィンセント卿はこいつの顔見たことあります?可愛いですぜ?」
「フン……奴隷の顔など見たくもないな。
……おい、あの奴隷はこんなに高いのか。」
「……勿体無い…へっへっへ…。
…まぁ、あいつはよく働くもんでね。」
「……そうか。まぁいい。このくらいは払おう…おい、これでどうだ。」
商人は何やら紙を受け取ると、慎重に眺める。
「………ヴィンセント卿は相変わらずいい交渉の仕方をする……では、これで交換をしましょう……来な…」
商人はにやにやとユーリに近づくと、手をのばす。
「おら、来いって。」
アーサーに向けていたような顔ではない。冷たい顔。
(…こわい…!こわいこわいこわい!)
「…い、や!さ、さわらな…で…!」
『パシッー・・・』
咄嗟に手を、はらってしまった。
「……いってぇな!」
「あ、ご、ごめんなさ…!!」
『バシィッ!!!』
殴られた。
痛い痛い痛い痛い。
「…ひ…!ごめ…なさい…!ごめんなさい! ごめんなさい!なぐら、ないで…!」
「敬語も使えねぇのかクソガキ!!」
男の手が挙がる。
ユーリはこれからくるであろう衝撃に目をつぶった。
しかし、いつまでたっても衝撃はこなかった。
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