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痺れ
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扉から中を覗く。
と、アーサーが書類にサインをしながらちらりとユーリに目を向けた。
見つめられ、ぎこちなくなりながらも中に入る。
(……何か…変かな………。)
「………………………………。」
アーサーはしばらくユーリを眺めていたが、何も言わずにまたサインをし始めてしまった。
「…あ……あの…アーサーさま……」
何をしたら良いのかわからず、アーサーに話しかける。
アーサーはまたチラッとユーリを見ると、一言
「……黙っていろ。私は今忙しい。」
と言ってサインを再開してしまった。
「っ……ご、ごめんなさい……。」
(…お……怒らせた……)
ユーリはすることもなく床に正座すると、アーサーの作業が終わるまでただひたすら絨毯を見つめていた。
ガタッとイスを引く音が聞こえた。
ユーリが顔を上げると、アーサーがこちらに近づいてくるのが見える。
アーサーはユーリが床に座っているのを見て、声を掛けた。
「おい、立て。」
ユーリはアーサーを見上げ
(立たなきゃ。)
と、急いで立とうとしたが、足が痺れてコテンと横にバランスを崩してしまった。
「………………あれ……?」
「………どうした…?」
アーサーの怪訝そうな声が聞こえる。
ユーリは焦る。
(立たなきゃ…!!)
早く立たなきゃ。
命令に従わなきゃ。
ぶたれる。
恐い。
「な、何でもないです…!い、今!立ちます…!から…!」
うまく立てない。
失敗した。
こんなに痺れてしまうなんて。
どうしよう。
早く立たなきゃいけないのに。
と、急にアーサーの手が上がるのが見えた。
ユーリは咄嗟に頭を抱えた。
お決まりの防御ポーズだ。
「っ…!た、立ちます…から…!ごめんなさ……ごめんなさい…!ぶたないで…!!」
ユーリは震えながら、懇願した。
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