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夕食
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アーサーは大きなため息を吐いた。
ユーリはアーサーの一挙一動にビクビクとしており、そのため息にアーサーの顔色を恐る恐る伺っていた。
「………この量を私が1人で食べると?」
「…え…?」
先程メイドに言ったこと。
『湯浴びをさせたらこいつにメイド服を着せろ。
…あとは…2人分の食事だ。』
テーブルに並ぶ食事は2人分。
アーサーの分と
「お前の分だ。」
「……………え?…え?」
「早く食え………冷める。」
それだけ言うと、アーサーはまた食事を再開した。
「………………………。」
ユーリは唾を飲む。
いつもより早すぎるくらいの夕食。
しかし、すでに空腹だ。
ユーリはアーサーの顔をチラチラと見ながら、そろそろと金属製のそれに手をかける。
「…ぃ……いただき、ます……。」
小さな声を出し手を合わせた。
そして、アーサーの真似をしながら金属製のそれを使って肉を切る。
一口。
また一口。
「……………おいし…い……………。」
それは今までに食べたことのないくらい柔らかくて美味しい肉だった。
パンも。
いつも食べている固くて冷たいやつではなく、温かくて中身がふわふわしている。
スープも、野菜も、魚も。
今まで食べたものとは違う。
美味しい。美味しい。
金属製の何かが手からするりと抜け落ち、床に落ちていった。
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