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寒く寂しい夜
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夜中に目が覚めた。
少し肌寒い。
……まぁ、地下よりはマシなのだが。
「………ぁ…。」
ふと、横に温もりがあるのを感じる。
「…アーサー…さま…」
すぐそばで、アーサーが背を向けて寝ていた。
名前を呼んでも反応がないあたり、寝ているのだろう。
「………………………………。」
ここまで来た記憶がない。
……つまり運んでもらった、ということだろうか。
服も、あのフリフリのやつではなく、地下にいた女の子たちが着ていたような形のやつだ。
比べものにならないくらい綺麗だが。
ユーリは途端に申し訳なさでいっぱいになった。
「…………………」
まず、同じベッドの上にいること自体がおかしいのだ。
ユーリとて自分の立場くらいは自覚している。
主人と奴隷。
なら、自分の寝場所はここではないだろう。
ユーリはいそいそと暖かい毛布から抜け出すと、絨毯に足を下ろし、そこに横になる。
「…………ごめんなさい…ありがとうございます。」
寝ているアーサーに一言謝り、礼をする。
先ほどまで暖かい毛布に包まれていたせいで、余計に寒く感じた。
「……ルジン………。」
大好きな友人の名前を呼んでも、返事は返ってくるはずもなく。
「寂しいな」と、小さく呟くと、ユーリはまた眠りについた。
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