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「あら、アリア…?どうしてここに……」
「カーリー…いや、その…少し…ね…」
カーリーと呼ばれた優しそうな顔の女性は、アリアの少し後ろに立つユーリを見ると驚いた顔をする。
「あら……アーサー様の………」
「…うん…あの、カーリーはルジンって子知ってる?」
「え?ルジン?…えっと、ちょっと待ってね……」
突然のことにカーリーは戸惑いながらも持っていた名簿のようなものをめくり始めた。
しばらく名簿を眺めていたカーリーは小さく「あ」と言ってこちらに目を戻す。
「……うんと…今の時間はどこにも配属されてないから…いるとしたら中央広場か35番部屋ね。」
「そう…わかったわ、行ってみる。」
「何があったの?」
「いえ…この子の友人みたいで…だからちょっとね。」
「あ……そうなの……一応だけど、気をつけてね。」
「うん。ほら、ユーリ、おいで。」
「………………はい……」
アリアは一度鉄扉のはめ殺しの窓から少し中を覗き込み、ゆっくりと鍵を開けた。
「離れないで。」
「………はい……」
どこからか吹き込んだ風がアリアたちを吸い込むように唸る。
重い扉がゆっくりと閉まり、音だけが永遠と木霊していた。
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