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35番
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「33.34…35……ここね…。」
蝋燭の灯りだけを頼りに通路を進み、2人はルジンの部屋に辿り着いた。
「…………行くわよ。」
「……はい」
「……ルジンくん?」
「え…?」
中の人影に声をかけると、それは驚いたようにこちらを向く。
「あなた、ルジンくん?」
「え、えぇ……でも俺まだ休憩中のはずですけど………」
「あ、違うのよ、その……ほら、ユーリ。」
「ユーリ…!?」
アリアが言葉に詰まってユーリを前に出すと、人影は立ち上がってこちらに走ってきた。
蝋燭の灯りに照らされ、表情が露わになる。
「あら……」
端整な顔立ちだった。
大人ながらもどこか少年のような面影を感じるその顔にアリアは一瞬見とれたが、咳払いをして誤魔化した。
「ルジンくん、ユーリがどうしても会いたいって言ったから…特別に連れて来たのよ。」
「え……そんな……ユーリ………」
ルジンは震えるその手でユーリの頬を撫で、髪に触れる。
「…ユーリ…」
「…くすぐったいよ…」
ユーリも笑いながらそれを受け入れた。
「…会いたかった…俺は…お前のことばかり考えて……どうしてまだここに……?」
「…あのね、アーサーさまがね、おれを置いてくれてるんだ…」
「え!?アーサー!?」
「ちょ、シー!大きな声出さないで…!せめて様を付けて…!」
「あっ、わっ…すみません…」
アリアに注意されルジンは慌てて口を押さえる。
「あはは、ルーインさんも大きな声出してた」
「だって…驚くだろう…そんな……」
そして先ほどと同じようにアリアが事の成り行きを話してやるのだった。
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