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帰城
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「帰ったぞ……」
げっそりとした声で書斎に入ってきたのはアーサーで、気づくと窓の外はもう暗くなっていた。
「お帰りなさいませ、アーサー様。」
アリアがすぐに立ち上がりアーサーに会釈をしたので、ユーリもそれに続く。
「あぁ…アリア、ご苦労。変わったことは?」
「特に、ございません。」
「そうか。」
アーサーはアリアと事務的な会話を交わした後、それを眺めていたユーリの頭を撫でた。
「何か、あったか。」
愛しいものを見るような、優しい目がユーリを捉える。
「なにもありません…アーサーさま、おかえりなさい。」
ユーリは嬉しそうに笑って少しだけ俯いた。
「あぁ。…まさか1日中ずっとここで絵を描いていたのか…?」
「…、あ、えっと…あの、」
アーサーからの思わぬ質問に、ユーリは思わず吃ってしまった。
しかし、アリアがすかさず助け舟を出す。
「少し、城内の探索に。外は雨でしたので。」
「…そうか、楽しかったか?」
「は、はい…!」
「なら良かった。」
「アーサー!何をしているの?早く来てちょうだい!」
もはや往々となったエイダの金切り声に、アーサーは小さなため息を一つ漏らし2人の方へと振り向いた。
「……お前たちも晩食にしよう。」
「…かしこましました。ユーリ、アーサーさまと一緒に。」
「わ、わかりました…!」
「……今日は楽しかったわ。また今度一緒に遊びましょうね。」
「あ、あの、きょう…ありがとうございました…おれ…」
「ええ、また私の絵を描いてちょうだいね。」
「!、はい…!」
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