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離される
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「おはよう、アーサー。今日はどこへ出掛けましょうか?」
「…またか…昨日も出掛けただろう…私はあまり動き回るのは…」
「今日は西の街へ行きたいの。新しく大きなお洋服屋さんが出来たそうよ?」
「……………………………」
アーサーは何も答えなかったが、エイダはそれを肯定と捉えて着替えの為にと部屋に戻っていった。
ユーリが心配そうにアーサーを見上げると、突然頬を大きな手に挟まれる。
「んぶ、」
「…ふー……」
「…、あ、あーひゃーひゃま…」
「……少し、触らせてくれ…」
アーサーはしばらくユーリの頬で遊んだあと、もう一度深いため息を吐いた。
「……、…………?」
「…また……心なしかお前と離されているように感じるな」
「……、……」
「お前は…私と離れて…寂しいと思ってくれるのか……?」
アーサーの手が縋るようにユーリの肩にかかる。
ユーリは少し言いかけて、ハッとして口を塞いだ。
「………でも、それは言っちゃいけないです……アーサーさまに迷惑がかかるから……おれは…言っちゃだめです………」
アーサーは唸るような声をあげて、項垂れる。
「…迷惑なんて…思わない……言って欲しいんだ…私は……お前に、」
「………寂しい…と…思います……おれは…」
「思う…」
「……寂しいです…アーサーさまのことばっかり考えます……でも……」
「アーサー!!早くして!!時間が無くなるわ!!」
「……わかっているからそんなに大きな声を出すんじゃない…」
アーサーは辛そうな顔でユーリの髪を一撫でして、離れていった。
「いってくる。」
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