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記憶
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あまりの寒さに目が覚めた。
ぶるっと身体を震わせ、身を起こす。
「……………」
見渡して、ここが先ほどまでいた場所ではないことはすぐにわかったが、頭がクラクラして状況を理解するのに時間がかかった。
「…牢屋………」
どこからともなく聞こえる水漏れの音は、少し前まで毎日聞いていたものだ。
耳にこびりついたその音は、数ヶ月そこらでは消えてはくれなかった。
「なん…どうして…こんなとこ……」
思い出そうとすると頭が痛む。
「…、…アリアさんが話してて」
「おれ…廊下で……」
「…誰かに…口を…………」
そこで、意識を失ったのだ。
ユーリはフラフラと覚束ない足取りで、格子に手をかけた。
「だっ、誰か…っ…誰か…!」
揺さぶられた鉄格子はカションカションと金切り声をあげるが、ビクともしなかった。
返事が返ってくることもない。
ユーリは途方にくれて、再びその場に座り込んだ。
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