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信頼関係2
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「お前には…失望した…」
「………………………」
「私は…お前なら、と……」
「……………………」
アーサーは書斎の机に肘をつき、手の甲に頭を乗せて項垂れた。
アリアも青い顔でアーサーを見るしかない。
「……わかっている…」
ふいにアーサーが声の調子を変え、そう呟いた。
「………なにが…でしょうか……」
「ユーリが消えたのは…お前のせいではない…誰のせいでもなく……ただ……お前に当たっているだけだ………」
「……、…………………」
「…すまない…………」
アーサーは自分より低い立場の人間に当たってしまったということの情けなさに身体を縮こまらせ、唸った。
アリアもまた、そんなアーサーに信頼されていたのにも関わらずその期待を裏切ってしまったことに後悔の念を抱いていた。
(私が目を離さなければ)
(私がもっとちゃんと気をつけていれば)
(こんなことにはならなかったのに)
アーサーのそれは八つ当たりでもなんでもない。
本当に自分のせいであることはわかっている。
アーサーが殊勝なお陰で責められないことが、逆に苦しい。
「…申し訳ございませんでした……」
けれども、震える声で謝ることしかできなかった。
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