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凶報
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緊急事態とはいえアーサーは仕事を休むことはしなかった。
が、どこかいつもより作業が淡々としていて、仕事に気持ちが入っていないようだ。
開いたままのドアをノックし、アーサーに声をかけた。
「アーサー様、少しよろしいでしょうか。」
「!なんだ、見つかったか…?」
ここ最近は使用人の誰が話しかけてもこれである。
エイダにも1度そう聞いてしまったぐらいだ。
「いえ、あの、はい…そうなのですが……」
「見つかったのか?なんだ、はっきりしてくれないか」
急かすアーサーにもう一人のメイドの方が話し出した。
「…その…逃げられてしまって……」
「……?」
「どうしても買わなければならないものがありまして…街に行ったときに見かけたのですが…私たちが声をかけた途端に走って行ってしまいました…」
「……どういうことだ…?」
「…その、ですから、ユーリは…やはり逃げたのではないかと……」
「………………………………」
アーサーはしばらく固まっていたが、ハッとして2人を見つめる。
「…………………間違いないのか……?本当に………ユーリの見間違いだということは………」
「はい、間違いありません」
「…………………………………」
アーサーはそのまま黙ってしまってこれ以上話しそうになかったので、2人はそっと部屋を出ていった。
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