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学習
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「……ユーリ…、…どうしてこんなこと………」
「…………………………」
アリアはユーリの服を着替えさせながらまとそう聞いたが、ユーリは答えずにどこか一点を見つめている。
汚れたドレスは脱がされ、薄手の粗末な服に変わった。
(ユーリはアーサー様を敬愛していたはずなのに…)
(全部演技だったっていうの……?)
「ユーリ…くれぐれも変な気を起こさないでね……」
ドアが閉まり、鍵がかけられる音がする。
ユーリは締められてまだ違和感のある首に指を這わせて、頭の中に焼きついたアーサーの冷ややかな目を思い出していた。
「……………………………」
当たり前だが、ユーリにはアーサーが何故あんなに怒っているのかが理解できなかった。
しかし、ふと、先ほどアーサーが放った言葉を思い出す。
(「逃げた」…ってどういうこと……?)
この数日間、ユーリはアーサーの命令だと言うメイドたちに牢屋に入れられていたはずだ。
(なのに、アーサーさまは……)
(「心配していた」……?)
ユーリは自分の中で何かが引っかかっていることに気がつく。
何か、おかしい。
(明日…アリアさん…来てくれるのかな……)
ユーリはベッドの上に丸まり、固く閉じられた扉を見つめる。
ユーリとて、学習しない人間ではない。
(おれは…逃げてない………)
(…泣いてばかりじゃ…ダメ………)
アーサーのもとに来たときから、ユーリは随分と成長していた。
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