アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
誰が為
-
「ユーリを…私は……鞭で……」
その白い身体に鞭を当てた瞬間からの記憶が曖昧だった。
再び気がついたときには自分の下で気絶する子供と傷だらけの細い足があって、ただただ絶句した。
アーサーはわなわなと手を震わせて、髪を乱す。
「アーサー、そんなに嘆かないで。」
「…………………………」
声をかけてきたのは、エイダだった。
「当然のことよ。奴隷の躾も主人の役目……そうでしょう?アーサーは今、あの子のために、そうするしかないのよ…悩むことはないわ。」
「………ユーリの…ため……?」
「そう…悪いことをした子にはお仕置きが必要でしょう…?そのまま許してしまえばまた同じことを繰り返す………」
揺らぐ可哀想なアーサーを、正しい方向へ。
少しの嘘はあるけれど、それもアーサーの為なら構わない。
と、言ったところだろうか。
エイダはニコリと笑ってアーサーを後ろから抱きしめた。
「あぁ…可哀想なアーサー…貴方は優しいが故に苦しんでいるけれど……私はずっと貴方の味方よ。貴方は間違ってない…頑張って。」
「…私は……」
「間違ってないわ。貴方は正しい。」
「……………そうか……そうだ…ユーリが…ユーリのために私は……」
「えぇ、あの子の為…」
「………そうか………」
力の抜けたアーサーの体を再び強く抱きしめる。
エイダは勝ち誇ったように目を細めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
152 / 207