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苦しみ
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「アーサー様、少しお話が。」
「………アリアか…なんだ…」
少し見ない内に痩せたように見えるアーサーに驚きを覚えつつも、アリアは毅然とした態度を取った。
「ユーリのことで…」
「……それなら…今日、あいつが自分から認めた」
「………はい…?」
「自分の口で『俺は逃げました』と言ったのだ…そして、私に『ごめんなさい』と……」
アーサーはどこか心ここに在らず、といったような様子でそう呟く。
アリアはというと、その事実に愕然としていた。
(ユーリが……認めた………?)
「っ、…そ、そんなはず…ありません…!!」
アリアが突然大きな声を出したので、アーサーは少し顔を顰める。
「ユーリは…ユーリは…そんな…そんな子じゃありません!何かの間違いです…!!大体この間は否定して……」
「なら!!!」
先ほどのアリアの声量を遥かに超える、アーサーの怒号が響く。
だが、すぐに泣きそうな声で訴えてきた。
「何故…あいつは認めたのだ………?」
「………………あ………」
(アーサー様も…苦しんでいる……?)
「出て行け…もうお前と話はしない。」
「!、アーサー様!話を聞いてください!」
「おい、そいつを出せ」
アーサーが他の使用人に命令し、アリアは両脇を抱えられて抵抗ができない。
けれども、訴え続けた。
「アーサー様!ユーリは心からアーサー様を慕っていました!!私はずっとそれを見て…!」
「……………………………」
「アーサー様!!!」
「……外に、出してくれ…」
「………アーサー様……」
アリアは項垂れて、口をつぐむ。
そのまま締め出され、扉は重く閉ざされた。
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