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甘々主人
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自分の横の席にユーリを座らせ、アーサーはお祈りをしてから食事を開始した。
横にいるユーリも、アーサーが食べ始めたのに合わせ自分も食べ始める。
「……………………………」
「……………………………」
「……………………………」
「……………………………」
沈黙が痛い。
先ほどあんなことをしてしまった手前、自分から話しかけるのは気まずい。
かといって、ユーリから話しかけてくれるはずもなく。
「……ユーリ、野菜もきちんと…食べろ。」
「っ……は、はい。」
ユーリは一瞬ビクッとした後小さく返事をしその後は黙々と野菜を食べていた。
ユーリは好き嫌いが無い。
というより食事を残さない。食事の有り難みというものががわかっているのだろう。
もちろん野菜も残すはずはないのだが、話題がないのでとりあえずそれを言うしかなかった。
会話と言える会話はそれだけで、夕食は静かなものとなった。
「…ユーリ。」
「………はい……」
また小さな返事。
先ほどから見ていてもわかるが、明らかに怯えている。
振り出しに戻った。
何とかしなくては。
「一緒に…風呂に入ろうか」
「ぇ…」
ユーリは驚きの表情を浮かべ、アーサーの顔を伺うように見上げた。
「来い。」
ゆっくりと手を出す。
警戒しているのか、ユーリの目がそれを追った。
「……おいで。」
ハッとして優しく聞こえるよう言い換える。
ユーリはしばらくその手を見ていたが、そっとアーサーの手を取り立ち上がった。
「頬は…痛いか…。」
「…い、いえ、だいじょうぶ…です……」
ユーリはうつむきながら答える。
本当はまだ痛むのだろう。
耐える姿がいじらしい。
考えれば変な話だ。
主人が奴隷の機嫌を伺っているなんて。
(…まぁ……可愛いんだから仕方ない。)
アーサーはすでにユーリに甘々になりつつあった。
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