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おもちゃ2
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「気持ち良かったか?」
「はい…」
風呂を出てからもアヒルで遊んでいるユーリをバスタオルで優しく拭く。
よほどアヒルのおもちゃが気に入ったらしく、先ほどまでの怯えが嘘のようににこにこと間抜け面を見つめている。
「…今度お下がりじゃないおもちゃを買ってやる。」
その言葉にユーリは慌てた様な顔をした。
「あ、い、いえ、俺は…この子がいい…です……。」
そう言ってアヒルを大事そうに抱え直す。
「…ふふ……」
「………………そうか。」
アーサーは最後にポンポンッとユーリの頭を撫でると、バスタオルを洗濯行きのカゴに放りこんだ。
「…部屋に戻るぞ。」
「はい。」
「入れ。」
「?」
普段と違う状況に、ユーリは戸惑う。
(…いつもアーサーさまから入るのに…)
しかし突っ立っている訳にもいかず、とりあえず扉を開けた。
「わぁ……!!!」
赤と青と黄色と白と黒と茶色と…あとは何色だかわからないが、とにかくお風呂で見た以上の数のおもちゃが置いてあった。
大きさも様々だ。
「これも全てお前にやる。」
後から入ってきたアーサーがユーリに言った。
「え!?」
「…アドルフのお下がりだがな。」
「こ…こんなに貰えません…俺…」
ユーリはアヒルをぎゅっと抱きしめた。
「何を遠慮している?
どうせこの城に居ても暇だろう?」
「そ、そんなこと…!
……そんなこと…ないです……。」
頑ななユーリにアーサーは少し眉をひそめた。
「…しかしこの城には何も無いぞ……」
ユーリは俯いて小さな声で言った。
「あ、アーサーさまがいます…!…から……だから……」
「っ!?」
潤んだ目に、ドキッとした。
「アーサーさまが…います……」
泣きそうな声に胸が締め付けられる感覚に襲われる。
「おれを1人にしないで下さい……」
瞬間、アーサーは膝からガクッと崩れた。
ダメだ。
可愛すぎる。
オロオロとアーサーを伺うユーリに「大丈夫だ」と手振りで伝える。
(つまるところ、おもちゃなんかより私の方がいいと……?
……こんなに酷いことをしてきたのに……?)
「あ、アーサーさま…?」
(………可愛い……)
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