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「何だと!?何故早く言わない!!」
朝、アーサーのイライラとしたような怒鳴り声で飛び起きた。
「ご、ごめんなさ、」
「申し訳ございません…!伝達の者が遅れてしまったようで…」
ユーリが謝ろうとしたところで、メイドが頭を下げた。
ユーリに怒鳴っていた訳ではないようだ。
「あ、アーサーさま…」
ユーリの怯えたような声に、アーサーは慌てて振り返った。
「…ユーリ…すまない…起こしたな…」
「…あの…どうしたんですか…?」
「…いや……」
ユーリの心配そうな声に、アーサーは手元に握っていた手紙を一瞥し静かに言う。
「アドルフが来る…。」
「…アドルフ…さま?」
「私の前では様は付けなくて良い。」
「アドルフ……さん、て誰ですか…?」
「そのアヒルの『元』持ち主だ。」
アーサーはしっかりとユーリの手の中に収められている物を指差した。
「…あ…そうなんですか…」
(…お礼とか…言った方がいいのかな…)
アーサーはまたメイドに向き直る。
「…何日泊まる予定だ…」
「2日ほど…」
「そうか…」
アーサーは未だベッドに乗ったままのユーリに歩み寄った。
「ユーリ、2日くらい1人でいられるか?」
「…え…」
(…どこに……?)
「あ、アーサーさま…」
不安からか、少し声が震える。
「夜にはお前の部屋に行く。」
アーサーは目を細めてユーリの頬をするりと撫でた。
「…ぁ……」
「もう赤くないな。」
「っ…は、はい…大丈夫です…」
別の意味でユーリの頬が赤くなった。
「…1人で大丈夫だな?」
「…はい…」
ユーリはアーサーに見つめられているのが恥ずかしくなり肩を竦めて俯いた。
「ユーリ、朝食が終わったらメイドが用意した部屋に迎え。入ったら部屋には鍵をかける。」
「え…」
(かぎ…かけるの…?)
「…心配するな。」
アーサーはユーリの頭にゆっくりと手を置くと、優しく撫でた。
「アーサーさま…」
「…………?」
「ぜったい…よる…早く来てください…」
「っ……あ、ああ…約束だ………」
予想以上に寂しがるユーリに、アーサーは本当は1人きりにさせたくないのをグッと堪えた。
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