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外出
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「アーサー兄ちゃん!俺ヒマ!!何かしようよ!」
抱きついてくるアドルフがうざったくて仕方がない。
……いや、まぁ、ユーリだったらむしろ抱きついてほしいくらいなのだが…。
アーサーはわざとらしく咳をすると、それとなくアドルフを除ける。
「……すまないな…私も仕事がある。メイドに遊んでもらえ。」
「えー!?何で…」
いちいちうるさい。
あぁ…ユーリに会いたい…。
アーサーはアドルフをメイドに押し付け、書斎に籠った。
「アーサー様!大変です!」
「何だ…」
いざ書類を整理しようとしたところに、先ほどアドルフを押し付けたばかりのメイドが飛び込んできた。
またアドルフが何かやったんだろう。
「アドルフ様が……」
ほらな…
「花瓶でボーリングをするって聞かなくて…!私ではどうにもなりません…!」
「…あのバカが…」
アーサーは仕方なしに重い腰を上げ、書斎を出た。
「アドルフ…」
今まさに、花瓶を投げようとしているアドルフを見つけた。
並べられた花瓶は、細かい値段は忘れたが1つ何千万もする代物だ。
「兄ちゃん!」
『ガシャーン!!!』
アドルフは花瓶を投げ捨て走り寄った。
見なくとも、花瓶は割れただろう。
「………アドルフ…街に買い物に行こう……お前は…………いい子だから…おもちゃ買ってやる……」
「ほんと!!?やったぁ!!」
一秒でも長く家にいて欲しくない。
アドルフを外に出さなければ。
「じゃあ行くぞ……」
アーサーは少々強引にアドルフの腕を引くと、数人の使用人達を連れて城を出た。
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