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玩具屋2
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「アーサー兄ちゃん何してるの?」
ぬいぐるみコーナーを物色していると、アドルフが駆け寄ってきた。
流石に「私の奴隷が喜びそうなぬいぐるみを選んでいる。」とは言えるはずもない。
「あ、いや…最近は色々な形の物もあるんだなと感心をしていた…。」
「……ふーん…その割りには楽しそうだったね。」
「…私が?」
「うん。何か真剣だし……誰に買うの…?」
バカのクセに中々鋭い。
「気のせいだろう…。」
アーサーは何となく誤魔化したが、アドルフの目に見透かされているような気になり目を逸らした。
「………………まぁいいや。アーサー兄ちゃん、僕こっからあそこまで全部欲しい。」
「………そんなに必要ないだろ…。」
「………花瓶ボーリング楽しいよね。」
「……すまない、この棚からあの棚まで全てを頼む……。」
アーサーはげんなりした顔で店主に言った。
花瓶割られるよりはマシだ。
アドルフは満足そうな顔でアーサーに微笑んだ。
「……しまった。」
揺れる馬車の中、アーサーの声は本人も思わないほど大きく響いた。
「アーサー兄ちゃんどうしたの?」
アドルフが興味深げにアーサーを覗き込む。
「い、いや、すまん。なんでもない…。」
(……ユーリのおもちゃ選ぶの忘れた……)
内心ガッカリしながらも、何事もないように無表情を装う。
(アドルフを連れて戻る…訳にもいかないか……明日選びに行くしかないな………)
アーサーは仕方なく引き返すのを諦め、そう決めた。
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