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誤解
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「……ハァ…ッ、…アーサー様…お話が……」
おもむろに開いた扉の先にいたのは、メイドのサラだった。
走ってきたのか息が切れている。
「……サラ…ノックも無しに…お前までなんだ一体…」
アーサーの呆れたような呟きにサラが固まる
(…名前……?)
「……な、なぜ…私の名前を……」
「自分が雇っている人間くらい覚えていないでどうする…お前のことは昔から…いや、いい、何の用だ」
「…………………………」
「…なんだ、主人の部屋にノックなしで飛び込んでくるほどのことなのか?今取り込んでいるのだが。」
少し疲れたような口調でケイを指差すアーサーに、サラの目から涙が溢れた
最初は喜びだったそれが、そのすぐあとにとてつもない大きな後悔となって襲ってくる
アーサーは自分のことを覚えていた
なのに、自分は……
「…どうした?」
突然体が震えだした
(なんてことを)
(私は…なんてことをしたの……)
嫉妬に駆られた自分の軽率な行動に吐き気がこみあげてくる。
普通ではないサラの様子にアーサーもやっと気がつき、椅子の上で姿勢を正した。
「おい、お前…」
「……わ、…私たちが…ユーリを…貶めました……」
怖さで唇がブルブルと震え、まともなセリフが言えたのはそこまでだった。
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