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小瓶
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「一体どうしたの、アーサー?いきなりこんな…まるで私を追い出すような…」
エイダはわけがわからない、といった様子でまとめられた荷物を指す。
アーサーは椅子に座りしばらく考えていたが、おもむろに口を開いた。
「サラに全てを聞いた。」
「…サラって…?」
「お前の指示でユーリを誘拐したと。先ほど私のところへ報告に来た。」
エイダは眉をピク、と一瞬動かしただけで、平然とした顔で首を傾げる。
「なんのことかしらね」
「とぼけるつもりか」
「知らないもの。本当よ、アーサー。」
「………サラ」
「彼女は…嘘をついています…」
「…アーサー?メイドより婚約者の私を信じるわよね?この子はアーサーのことが好きで私のことを追い出そうとしてるのよ」
「…お前が人のことを言えるのか?それはお前だろう?」
「どうしたのよアーサー、私はあなたの味方よ…?」
「………リサも本当のことを言ったわ。」
「…!」
「……リサ、こっちへ…」
「……あんた……!」
「知っているのか?」
「…………っ…し、知らないわ…」
「…そうか……ではこれは?」
アーサーはポケットから小さな革製の袋を取り出してエイダの前でぶら下げた。
エイダは一瞬ハッとした表情を見せる。
「…な、なにかしら……」
「この袋…リサが持っていたんだが…お前の家の紋章が入っているな…中身は小瓶のようだ、この液体はなんだ?」
「…く、薬よ?彼女風邪気味だって言っていたから…私の家から持ってきていた非常用のを彼女に…」
「…なら、お前が飲んでも問題はないな?」
「っ、で、でも私は今は健康よ?飲む必要はないわ…だから…」
エイダはアーサーの手から袋を取り返そうとしたが、アーサーはそれを高く掲げて首を傾げた。
「実は私は風邪気味なんだ。お前の薬なら安心だな?私が飲もう。」
「…!」
アーサーは小瓶を取り出し蓋を開ける。
そして口に運び…
「駄目よ!!!!!」
エイダに叩かれ、小瓶と液体は床に落ちた。
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