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2度目の初対面
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「私の名前はアリアよ。よろしくね。」
「アリアさん…?こ、こんにちは…あ、アーサーさまのところのメイドさんも…アリアさんです…」
ユーリは少し警戒していながらも差し出されたアリアの手を握った。
(それ…間違いなく私のことよね…)
アリアは何とも言えない気持ちで笑い返し、ユーリの記憶がどのようなものかを探り始める
まず、ユーリはユーリのままだ
何も変わっていない
ユーリの記憶の中には自分やアーサーがいるが、しかし顔だけが違うようなのだ。
それがどのような顔なのか話そうとしてもらおうとしたが、ユーリはハッとして、悲しそうな顔で「思い出せない」と戸惑ってしまったので話をやめた
当たり前だ
見たことのない者以外の顔の記憶などあるはずがないのだから。
だが、アリアはユーリが混乱しないようにと、まだ本当のことを言っていない
ユーリはキョロキョロと城を見回し、空いてる部屋の中も覗いていた。
「な、なんだか…落ち着いた感じです…なんていうか……あの……えっと………」
「………私の主人も、アーサー様というのよ。」
「…!そうなんですか…!?」
「ええ、あなたを…そうね、あなたを預かっているのよ。私たちのアーサー様が。」
「!…じゃあ…アーサーさまは…、あっ…おれの…ごしゅじんさまの……」
「うん…まだ会えるのは…少し先かもしれないわね…」
「そう…ですか……」
ユーリは自分の知らないところにアーサーが何も言わずに預けたのだと思い、シュンと項垂れる。
「…あ…おれの、この、目は…どうしたんですか…?」
思いついたように見上げてきた子どもになんと説明をすればよいのか迷ったアリアは、少し悩んでから
「…ちょっと…ね…今は気にすることないわ。」
とそう言って苦い顔で笑い、ユーリの手を引いて城の中を歩いた。
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